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昔話その3

昨日はトラブルが長引きまして申し訳ありませんでした。
本日はだいじょうぶなんじゃないかと予想しています。
現在、判明しているボトルネックはすべて解消されていますので、基本的にはかってないぐらいに快適な環境を実現できているはずです。

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さて、昔話の第三話です。

ひろゆき氏の協力を得るためには、もっと面白さがはっきりわかるデモが必要だと考えた我々は、プロトタイプのつくりなおしをすることにしました。UEIの清水君がせっかくプロジェクトに参加しているのだからうちの会社でやりたいと主張したので、UEIに発注することにしました。

ただし、ひとつだけ条件をつけました。プロトタイプの作成を布留川君がやる、ということです。
清水君同様、布留川君もドワンゴの元社員であり、トップエンジニアのひとりでした。超短期間でセンスのあるプロトタイプを布留川君ならつくれるだろうと思ったからです。

われわれはこの時点でこのサービスの成功のポイントは、2ちゃんねるの実況板のような臨場感を生むことであると予想しており、そのためにはコメントの内容自体はわりとどうでもよくて、映像の面白いポイントで、みんなが一斉にコメントすると一挙にコメントがスクロールして流れるという光景をどうやって実現するかが重要だと考えていました。
そのためにチャットのように簡単にコメントできるUIをつくることと、場をもりあげるコメントによらない感情表現、へえボタンのようなものも必要だろうと考えていました。

期待にたがわず布留川君は3日ほどで新しいプロトタイプをつくってきました。ところが彼がつくってきたものは我々が期待したものとは違うものでした。
動画と別ウィンドウのコメント欄など存在せず、すべてのコメントは動画の上にオーバーレイされて右から左へと流れていきます。しかも、すべてのコメントにはランダムで決められたカラフルなカラーがついていました。

コメントの動画へのオーバーレイはオプションとして考えてはいたものの、それをメインにするという発想はだれももっていませんでした。あくまで、別ウィンドウのコメント欄がないと動画そのものが見づらくなってしまいます。しかし、もともと実況板の臨場感を目標としていたわけですから、盛り上がるところで動画の画面がコメントで埋まってみえないという光景を想像すると、とても魅力的でした。

動画とコメントのオーバーレイをデフォルトにするという方針がここで決まります。現在のニコニコ動画の基本形となったプロトタイプの完成です。
社内デモも非常に好評でこのままサービスしてもいいんじゃないかという意見も飛び出します。ここでようやくひろゆき氏に見てもらうことにしたのです。

----------------------つづく(だけどとりあえずおわり?)

さて、このあとは、ひろゆき氏が参加して、どうやってニコニコ動画を成功させるかの戦略をたてて、具体的なサービス設計をしていくことになりますが、これについては現在進行形で進んでいる話でもあり、正直、現在、ニコニコ動画のあとに登場した競合サービスやネットでのブログでのニコニコ動画に関する意見をみても、われわれがニコニコ動画の本質だと思っているポイントや、目指している方向性を認識しているところはひとつもないことを考えると、まだ、語るには時期尚早かもしれません。
そもそも世間的にはっきりとした勝負は、まだなにもついていませんしね。

ところで定性的にも定量的にも参考にするにはクセのあるデータであると定評のある某Alexaの統計ですが、ニコニコ動画が昨日また順位をひとつあげて国内10番目のサイトになったようです。youtubeは5位ですが、日本国内だけのデータはグラフでみれませんから、4位のmixiと6位の楽天で代用して比較するとこうなります。