『チャリに乗れない』をピックアップしてご紹介。
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近年『弱虫ペダル』の大ヒットもあり趣味に実益にとブームまっただ中にある自転車。
道路交通法の改正など何かと「チャリ」についての話題は尽きないが、あくまでそれらのムーブメントは「チャリに乗れる」人を前提としたごくごく狭い世界のムーブメントであることを私たちはしばしば忘れてしまう。
この作品『チャリに乗れない』は、そんな「人はチャリに乗れるもの」という固定概念を覆す自転車に乗れないキャラクターの集まる「自転車部」を題材にしたハイテンションギャグ漫画なのだ。
小川燕
チャリに乗れない主人公。運動神経が鈍く自転車に乗れないことがコンプレックス。
Tシャツ集めが趣味で私服の時のTシャツデザインは見もの。
主人公代行からのスタートというわけではない。
和田虎太郎
燕と同じ1年生。イタリア制の高級自転車ベアンキをこよなく愛するがもちろん乗れない。
とても金持ちでイケメンで帰国子女で非の打ち所はチャリに乗れないことくらいかもしれないが本人は至って明るく不死身。自転車部にちょっとしたスパイスを毎回もたらしてくれる。
原清兎
先輩。頭脳明晰でカラダが弱い自転車部の副部長。自転車に乗れない人間しかいない自転車部において補助輪付き自転車を乗りこなす唯一の乗れてる男。グータッチはしない。
冷静な分析とキレのあるボケは自転車部の良心でもある。ルンバ。
中畑星一
部長。どちらかというと自分色に染めていくタイプ。2年生。改造したママチャリで部員の中で倒れるまでもっとも長い距離を自転車にまたがっていることができた実力者だがオラオラ系で劇的に頭が足りていない。常に絶好調かどうかはわからない。
野村こい
料理部と兼任の顧問。部長の中畑が苦手ですぐに本音がでる不幸体質の女性教諭。
登場場面はあまり多くないが大体不幸。最終的に名将と呼ばれるまでに人間として成長できるかどうかは彼女次第。
物語は主人公燕をツッコミ役として、他の部員たちがダイナミックに時にドメスティックにボケ倒す1話完結型のギャグではあるのだが、そのテンポがとにかくいい。
登場キャラクターたちはどうしてここまで乗ることの出来ない自転車を愛することができるのかはわからないが、文字通り命を賭け体をはる。曲がりなりにも運動部でここまでレベルの低い男子高校生の部活モノは珍しい。
「チャリに乗れない」というひとネタで実に単行本5巻まで書ききる作者の才能には脱帽してしまう。最終5巻は9月にも配信となる予定だがぜひみなさんの青春の1ページに加えてみて欲しい作品である。
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