3月19日(水)13:00より行われた生放送で、先日の、第3回電王戦第2局出場ソフトの「やねうら王」のソフト差し替えに関する経緯と今後の対応についてご説明をさせて頂き、3月15日に行われました第1局終局後の記者会見での発表内容を修正・撤回し、当初決まっていたルール通り、将棋電王トーナメント終了後に提出された元のソフトで、第2局の対局を行うことを発表致しました。

11月中旬に、やねうら王開発者の磯崎様より、ソフトの動作を安定させるための修正のご要望を受け、特例として許可致しました。

その後、「本番で止まることがないよう十分にランニングして検証したい」とのことで数か月が過ぎ、ソフトの差し替えが行われたのは3月1日でした。

その後、佐藤紳哉六段より、「差し替えたソフトの棋力が大幅に向上しており、指し手も全く異なっている」とご指摘がありました。

電王戦本番が差し迫った3月3日になってこのような状況が発生し、佐藤六段より、どちらのバージョンと対戦しても自分はかまわないが、対局直前にこのようなことがあったということについて、一連のいきさつについてのすべてをきちんと公表をしてほしいという要望をいただきました。
同時に、将棋連盟様からも、棋士の意向にできるかぎり沿ってほしいこと、また、棋士の研究時間に影響があるため、どちらのバージョンで対局するかをすぐに決めてほしい、という要望をいただきました。

そこで我々はソフトの動作の安定性を重視し、差し替え後のソフトで対局していただくことを決定しました。
その際に片上理事より、直前にルールを変更することについてはおかしいのではないかという意見をいただきましたが、主催者としての決定であるということでご了解をいただきました。
この判断は、自ら設けたルールを無視した、誤った判断でした。

そもそも修正を認めたこと自体が間違いであり、バグ変更も認めるべきではなかったと現在は考えております。

この「やねうら王」のソフト差し替えの件についての発表は第一局が終了したあとの記者会見の最後におこなうこととしましたが、佐藤六段からはPVについてもこの経緯を説明するように内容を変更してほしいという要望をいただきましたので、急きょ、両対局者に本件に関する電話インタビューを行ない、第2局のPVに追加し公開に至りました。

これが、3月15日までに起こった出来事です。

多くの批判をいただいた通り、そもそもソフトの修正を認めたこと自体が間違いで、新しいソフトでの対局をお願いしたことも大きな間違いでした。
佐藤六段をはじめ、日本将棋連盟様、磯崎様、協賛企業様、メディアの皆様、そして将棋ファンの皆様に多大なご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。

今後の対応といたしましては、片上理事からは一度変更したルールを一度ならず二度も変更することについてはやめてほしいという要望をいただきましたが、最初に決めたルール通りに将棋電王トーナメント後に提出された元のソフトで、第2局の対戦を行う事とさせて頂きたいと思います。

佐藤六段には対局直前の重要な時期にこのような混乱を招いたことを、大変に申し訳なく思っています。

また、来年以降の将棋電王トーナメントについては、今回の件を踏まえ、本番用のソフトの改良期間などのレギュレーションを改善してまいります。

最後に、電王戦の主催者としてまだまだ未熟であり、多くの関係者と将棋ファンの方々に不快な思いをさせ、ご迷惑をおかけしてしまったことを深くお詫び申し上げます。

■第3回将棋電王戦