2月22日(土)から72時間に渡って、
JAMSTEC横須賀本部の飼育水槽から
ゴエモンコシオリエビを生中継でお送りいたします。
私のご飯は、
胸毛で飼っているバクテリアです――。
ニコニコ生放送のみなさま、はじめまして。
私、ゴエモンコシオリエビ(学名:Shinkaia crosnieri)は、
僭越ながら日本を代表する深海熱水域の動物です。
名前にエビとついていますが、エビではありません。
カニのようなハサミを持っていますが、
カニでもありません。
ややこしくて申し訳ありませんが、カテゴリー的には、
コシオリエビ(ヤドカリの仲間)に分類されています。
なお、一番の特徴は何と言ってもこの胸毛です。
私は胸毛でたくさんのバクテリアを飼っている牧場主ですが、
そのバクテリアは地球内部から噴き出す熱水内の
硫化水素とメタンをエネルギー源として、すくすくと生長します。
そして私ゴエモンコシオリエビが、胸毛で育てたバクテリアを
手のような器官でこそいで食べて生きているのです。
【ゴエモンコシオリエビ 一問一答】
Q:どこに住んでいますか?
ゴ:私は沖縄トラフの熱水噴出域に住んでいました。
他の場所ではまだ、私たちは見つかっていないようです。
Q:目は見えますか?
ゴ:光のない深海で生息しており、目は退化してしまいました。
Q:名前の由来は何ですか?
ゴ:釜ゆでの刑にあった石川五右衛門が和名の由来です。
Q:いつ食事をなさるのですか?
ゴ:決まった時間はありません。たまにこっそり食べてます。
【基本データ】
■出演 ゴエモンコシオリエビ(JAMSTEC所属)
■採集海域 沖縄本島から西方180kmの深海熱水噴出孔
(沖縄トラフ伊平屋北熱水活動域)
■採集水深 約1000m
■体長 約1~6cm
■採取日時 2014年1月12日
無人探査機「ハイパードルフィン」、海洋調査船「かいよう」
■協力 JAMSTEC海洋・極限環境生物圏領域
深海・地殻内生物圏研究プログラム 和辻智郎 研究員
■番組協力 海洋研究開発機構(JAMSTEC)
JAMSTECでは、深海熱水噴出域の生物群集がどこから来てどこへ行くのか?
また、太陽光に依存しない「地球-生命」相互作用システムとして、
深海・地殻内の生態系を支える
「暗黒のエネルギー・物質・機能因子・遺伝因子循環」の成り立ちと
その働きについて研究しています。
【生放送情報】